あとがき
こんな話を書く羽目になったのは、ＰＳ版ＤＱ４の移民システムのせいです。そのなかに、シリアって名前の船乗りの移民が登場して…。朝四時ごろにごそごそやっていたので見間違いかと思い、後で名簿を確認したらやっぱりいるんですね。これが、最も始めのきっかけでした。
もともとから海、海賊をテーマに書いてみたいなと思っていたので、こうなったら例の三人組を使ってやってやろうじゃねーかといきまいた結果、メンテナンスアイルも出来上がった次第でございます（笑）。
みんな総じてラテン系人間に格上げ（謎）されてます。特にトミー君。基本路線は変わっていないんですが、海賊の頭なんかやってるとやっぱ豪快じゃないと。で、毛色が違うのがマイスター。敵役の一人や二人、出さないとなーと思っていたとき40度の熱を出し、その夢うつつのうちにいつのまにか出来上がってしまっていたキャラクターでした。どうも『東京バビロン』って漫画の桜塚聖史郎さんがもともとにあるみたいですな。伊達メガネなところとか。汚れた仕事も表情を変えずにささっとやり遂げてしまう、そんなところを書いてみたいなぁと思いつつ、まったくかけなかった気がしないでもない。ちなみに現実で彼が使う武器は持ち帰らないそうです。凶器なんか持ってたら一発でつかまりますし。ただ、この時代はそんなに警察機構が発達していたわけではないので持ち帰ってます。ご了承ください（って誰に…）。きっと夜なべで手作りしているに違いない。
主人公の背景をこっこの「強く儚いものたち」という曲からイメージしたのか、と後から言われましたが、そんなこと全然なかったです。というか、言われてから気がついた（笑）。それにしても切ないですねー。私の悪癖で、主人公にやたらと重い背景を背負わせてしまいます。これはもう少し別の観点から考えてみたいなと感じました。というか、今回の重さは半端じゃない気が。でも好きなんです、やたらめったら重くてダークな話。お気楽ハッピーエンドより何倍も。それにしても作中のシリア嬢は強いなぁ（どの話でも）。俺もそうありたいですわ…。ちなみにシリア嬢の妹ちゃんは、彼女がオーウェルに出会う前に病気で死んでいるという設定です。やっぱり天涯孤独なのか。
さてまあいろいろ残ってはいますが（あれとかこれとかそれとか）、とりあえずこの辺で。要望があれば、続きを書き始めると思いますです。さー、マイスターは最後、シリアに一体何を囁いたんでしょう。私も知りたい（笑）。では。
作者 拝