あとがき－シリアmoon

　どうも長いお話をお付き合いいただきありがとうございました。これは半分ぐらい私の実体験です。とはいえ心理描写の部分ですが。所々そんな所があり、書く方としては本当に涙なしではかけないところがあります。特にジェイの台詞とか。そういった意味で本当にこのお話の主人公であるシリアは私の分身なのでしょう。
　『すべての…』に比べてこれは楽しかったです。『すべての…』を書くのがいやだったわけではなく、遊びが入れられた分楽しかったですね。シリアはどこからでもヤカンを取り出してくるし、カルサートはどんなにシリアに痛めつけられていても平気。固有振動数に関するウンチクなんかも放り込んでみたり、暗号解読の初歩なんかも調べたりと、なかなか自分も勉強になりました。といってもほとんどの事が知識の再確認でしたが。いいかげんな作者ですが、お話を書くときはいつもそれ相応の下調べはします。ただ行き当たりばったりでかくので、いつのまにかめちゃくちゃになって後から必死でつじつま合わせもやったりしますが…。ところで作中でもありましたが、シリアのおやかんがどこから出てくるのかは作者にも分かりません。きっと異次元に様々なおやかんを大量にストックしてあって、そこに生体リンクでも張っているのでしょう…たぶん。
　全部書き終わった後で『すべての…』と微妙に背景が繋がっているような気がする事に気がついたのは、ここだけの話です。本当にじっくり読み返して、びっくりしました。そういうつもりで書いたわけではないんですが。
　カルサートとトミーに関して。最近気がついたのですが、これは私の中で実在の一人の人間が分化したようです。カルサートはその人の破天荒な部分。トミーはその人の紳士的で優しい部分。一番に出来たのがカルサートだったのは、私が実在の人の、破天荒な部分しか知らなかったからなんだろうなあと思います。もちろん、多少の優劣はありますがどちらのキャラクターも大好きです。きっとその元になった人が大好きだからでしょう。勝手にモデルにしちゃってごめんね、Ｈ。ちなみに彼はカルサートほど変な人ではないです。名誉のため。（念のため）
　あと言及しておきたいのが、彼女達の年令の事。最初は二十歳過ぎという事でしたが、そのあと、作者の個人的な趣味で２５～２９歳、ひどい時には３０前半というなんとも渋い年令で考えてしまいます。まーぶる嬢にも指摘されましたが、私はすごく渋好みなんだということに行きつきました。それでも彼女達の言動はとてもそうは見えませんが（笑）大人になっても子供の心を、が私の座右の銘です。これはそれが色濃く現れたお話です。（本当か！？）
　さて、微妙な三角関係で終わりになったこのお話ですが、これからどうなるのかは本当に作者にもわかりません。シリアが幸せになれたらいいなあと願うばかり。なにせ私の分身ですから。こりずに続きを書き出す時が来るかもしれませんが、その時はどうか温かい目で見てやってください。どうもありがとうございました。
　
　作者　拝