あとがき
な、長かった……。とにかくその一言です。普段、私の話を書くペースというのは、どうやらめちゃくちゃに早いようなんですが、この話は難産でした。たぶん、あちこちにそういう悩みのあとが出てるんじゃないかなと思います。
旅から旅に生きる人間。これはもう冒険小説の基本ですよね。いつも、一箇所の舞台でごそごそしている話しか書いていなかったので、めまぐるしく舞台の変化する話を書いてみたいと思い、この話が出来上がりました。落ちこぼれの烙印からデルは逃れられたのか。そして、ヘディウのお茶会には行くことが出来たのか。……想像にお任せします。
バレム君のこと。登場が遅かったためか、一応デルのパートナー役なんですけど、作者の愛が別の方にすこし向いちゃいました。あんまり絵もないですし…。トップラクガキとかにはちょくちょく顔を出してはいたんですけどね。でも彼は好きです。ちなみに彼、Baremと綴ります。Amber、つまり琥珀のアナクラム。琥珀色したデルの髪の毛が好きだから、そういう名を名乗ることにした…、こんなエピソードをどこかに入れたかったんですが、冗長になりそうだったのでやめました。
この話を読んでいただけた方は分かったと思うんですが、私の書く話は、螺旋図書館の蔵書、という設定があります。だから変なところでリンクするんですよね。そういう、大きな大きな設定を一回作ってみたかったんです。だからもしかしたら、これから書く話のなかに螺旋図書館の話が出てくる可能性はあります。
長らくお付き合いいただいてありがとうございました。願わくは、あなたの心の片隅に残らんことを。
作者 拝